堺市西区の浜寺には、南海本線の浜寺公園駅と、阪堺線の浜寺駅前停留場がある。その少し南の高石市羽衣には南海本線の羽衣駅があり、その羽衣駅にひっつこうとするように、JR阪和線から東羽衣支線(東羽衣駅)が伸びている。さらに羽衣駅からは高師浜線(高師浜駅、伽羅橋駅)が海に向かって伸びている。いまはなんてことのないこの地域に鉄道駅が集中しているのは、かつて浜寺が海水浴場のある景勝地だったからだ。
これ、江の島に似ているなと思った。この場合の「江の島」は、藤沢市片瀬海岸あたりを含むと考えてほしい。小田急江ノ島線(片瀬江ノ島駅)、江ノ島電鉄線(江ノ島駅)、湘南モノレール江の島線(湘南江の島駅)と、浜寺と同じように海水浴客目当てに敷設・設置された路線・駅が集中している*1。まあ、浜寺と江の島がどれくらい似ているかは地図を見て確認してくださいよ。
ただ、浜寺に海水浴場があったのは1950年代ぐらいまでのことで、そののちに海岸を埋め立てて造成し、堺泉北臨海工業地帯の一部になった。現在、浜寺公園に松林とプールはあるが、海水浴場はない。浜寺が工業化のために景勝地としての砂浜を手放した一方、江の島は砂浜を守った、というより、江の島はたまたま工業化の必要がなかったために残った、というべきか。
まあ、それだけなんですけど。