草津線と近江鉄道に乗ってみて

草津線近江鉄道、ともに10年ぶりに乗ってみた。
地図を眺めていると、草津線近江鉄道は複線化すればいいのに、とずっと思っていた。
しかし、実際に利用して、車内や沿線の風景を見ていると、単線である理由がよくわかる。とにかく利用者が少ない。沿線には鉄道が通るほどの街が無く、ほとんど田畑、または原野である。草津線沿線には物流会社の巨大な倉庫や製造業の工場があるが、それは草津線というより国道1号線(あるいは、新名神高速道路)の沿線という要素のほうが強いだろう。
草津線の複線化を望む声が周辺自治体からあがっており、利用者増加は見込めないとしてJRはそれを断っているというが、それもしかたがない。むしろ、単線とはいえ現在鉄道が通っていることが奇跡だと、今回沿線の風景を見た限りではそう思う。
やはり、人はある程度まとまって、つまり街を形成して住んだほうが効率がいい。公共交通が人のいる場所に行き届くというのが従来だったが、人が既存の公共交通の駅周辺に意図的に住むということも考えなければならない。

ちなみに、10年ぶりに乗った感慨や、懐かしさのようなものは感じなかった。10年間も行かないような場所に、懐かしさも何もあったものではない、ということだろうか。