芸妓

NHKのニュースを見ていたら、「芸妓」を「ゲイギ」と読むことを初めて知った。
なんとなく、「芸妓」は「ゲイコ」と読むものだと思っていた。
手元にある『新明解国語辞典 第五版』によると、芸妓とは「『芸者の意の漢語的表現』」とのこと。「芸妓」を「ゲイコ」とも読めるとは書いていない。しかし「ゲイコ」と読んで芸者を指す「芸子」という言葉はあって、こちらは岐阜・愛知以西の方言らしい。
ところで、同じく『新明解』には「舞子」という言葉も載っているのだが、こちらは「『舞妓』とも書く」とある。と書いていて気づいたのだが、IME2010で変換した時、「ゲイコ」では「芸子」しか出ないのに「マイコ」ではちゃんと「舞妓」と「舞子」両方出るのだ。
ウェブで「芸妓」のニュースを調べてみると、以下のものがあった。
芸妓が手踊り披露、募金呼び掛け 組合全焼支援の恩返しへ 特集・M9.0東日本大震災 福井のニュース |福井新聞ONLINE:福井県の総合ニュースサイト
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/235104
それぞれ別の話題だが、新聞によって「芸妓」を「ゲイギ」と読む場合、「ゲイコ」と読む場合があることがわかる。
『新版 漢語林』によると、「妓」の字義は

  1. うたいめ、まいひめ、芸者
  2. あそびめ、遊女

だそうだ。それはまあいいのだが、「妓」の読みは漢音で「キ」、呉音で「ギ」。どうも「コ」という読みはないらしい。
「芸妓」と「芸子」という同じ意味の言葉の読みがごっちゃになったのだろうか。それはつまり「妓」という字の誤用ということだろうか。
ま、前半でも述べたように、「ゲイコ」は主に関西地方で使われるとのことだから、関西人の雑な部分が出たと解釈して、漢字の読みはともかく、これからもなじみのある「げいこはん」でええんとちゃいますやろか。
…最後になって急に俗流文化論を語ってしまったな。詳しい人がいたら教えてください。