テレビを見る/見ない

「嫌なら見るな」がどのくらい通じるか、興味深い問題ではあるが、私の場合、基本的に嫌な番組は見ていない。具体的には、民放はほとんど見ていない。
しかし、不快な番組に意図せず出会う瞬間というのもかなりある。リモコンを持ってなんとなく操作している時だ。私にとってテレビは「これ!」と決めて見るようなものではないから、そういう「事故」も発生する。
また、「嫌だけど見ている」人が多いということは、テレビ局にとってはありがたい事態ではないのだろうか。
そもテレビとは、バカが見るメディアではなかったか。「テレビばかり見ているとロクな人間にならない」と言われる存在ではなかったか。それがいつの間に客を選べる事業者になったのか。
最近、愛国者を名乗る低能が攘夷運動に目覚め、それがテレビ局たたきと結びついているのだが、私には通販番組の氾濫のほうがよほど醜悪に見える。通販番組を不問に付している理由はわからない(おそらく理由などない)し、やはりまぬけはまぬけでしかない。
そういえば、テレビよりも衰退著しい新聞は、「嫌なら読むな」とは絶対に言わない。それどころか、けったいな理屈をつけて新聞がいかに素晴らしいものであるかを喧伝し、読者の確保に努めているが、これはこれで醜い。